もうすぐ始まる裁判員制度 弁護士 後藤 隆志

こんにちは弁護士の後藤隆志です。
2009年5月までに裁判員制度がスタートします。ニュースや新聞だけの世界と思っていた刑事裁判にあなたも参加することになります。
具体的には,国民の皆さんから無作為に選ばれた6人の裁判員が,3人の裁判官と一緒になって,刑事裁判に参加し,有罪か無罪か,有罪の場合はどのような刑にするのかを決めます。
裁判員制度では,裁判の進め方や内容に国民の視点や感覚が反映されますので,裁判全体に対する国民の理解が深まり,裁判がより身近に感じられ,その結果,司法への信頼が高まっていくと期待されています。
これまでは「刑事裁判」と言っても,一般の人々からは,それこそニュースやドラマの世界の出来事でしかなかったのが,これからは自分も参加者として関わっていくことになります。

以下,裁判員制度の概要です。

  1. 裁判員裁判の対象事件は,殺人罪や強盗致傷罪など一定の重大犯罪に限られています。
  2. 衆議院議員の選挙権のある人なら原則として誰でも裁判員に選ばれる可能性があります。ただし国会議員や司法関係者などは裁判員の職務に就くことはできないとされています。
  3. 1年間に裁判員になる確率は,3500人に1人程度と見込まれています。
  4. 仕事が忙しいなどの理由だけでは原則として辞退はできません。ただし70歳以上の人や重い疾病や障害がある方,同居の親族の介護・養育のため家を留守にできない方などは辞退できます。
  5. 裁判員の仕事で会社を休んでも解雇など不利益な扱いをすることは法律で禁止されます。
  6. 法廷で見聞きしたことは基本的に話しても大丈夫ですが,誰がどのような意見を述べたかや事件関係者のプライベートなこと,裁判員の名前などについては守秘義務を負います。

「人を裁く」という重さから,どうしても敬遠しがちになりますよね。無実の人を有罪にしてしまうのでは。。。被告人に逆恨みされたらどうしよう。。。様々な不安が出てきます。何よりも法律の素人が人を裁いていいものなのか?という疑問を持つかも知れません。
しかし,裁判が1人1人にとって「他人事」ではなくなることは,長い目でみれば司法全体にとってプラスになると思います。
皆さんが裁判員に選ばれたら・・・是非積極的に参加して下さい!