行政書士試験の受験生の皆様へ 行政書士 富之浩

最近では国家資格を取得しようとする人がとても多いと聞きます。国家資格試験を受験するための様々な受験予備校が存在し、街角や書店には受講生の確保のための看板や広告をよく見かけます。
私自身が行政書士だからなのかも知れませんが、その中でも「行政書士」という資格がやけに目に付きます。
多くの広告から共通して受ける行政書士の印象は「簡単に合格しやすい。」「年収1,000万円以上も可能」「副業にも適している」「女性向きの職業」などではないかと思います。

これを私から見ると、少し誇大広告のように感じます。
確かに、弁護士、税理士、司法書士などと比べると資格を取りやすいと思いますし、年収1,000万円以上の行政書士は確かに存在します。また、副業の行政書士や女性の行政書士も多数いらっしゃいます。
しかし、合格率が5%前後の行政書士試験に「簡単に合格しやすい。」という印象を社会に与えるのは少し疑問です。また年収1,000万円以上が全体の何割なのかというデータがないので何とも言えませんが、開業しても食べて行けずに早々と廃業していく方をよく見かけます。副業として行政書士業務をやることは可能ですが、副業として一定の収入を得ている人はごく一部ですし、また生計を立てて「業」として行政書士業務をやっている女性もごく一部であると思われます。

これまでの説明では、今行政書士を目指している人の希望の明かりを消してしまいかねませんので、これからは「夢」のある話をさせていただきます。

行政書士が取扱うことのできる業務は、官公署への手続き(各種営業許認可申請等)や権利義務関係(相続遺言、契約書等)となっており、その職域は膨大なものであり、人々の暮らしや事業において密着した仕事なのです。
したがって、職域が広い分、社会には行政書士の仕事が星の数ほど転がっているのです。
これを自分の仕事として依頼に結びつけることが出来れば、必ずその人は行政書士として成功すると思います。つまり、自分の周りのたくさんの人が相談を持ちかけてくれるようになることがポイントではないでしょうか。
そのためには、社会に行政書士という職業をもっと認知してもらう必要がありますし、資格を取得して開業した方に対して業務指導を行なう体制も必要であると私は考えています。
この点については、各都道府県の行政書士会において、認知活動(各地での無料相談会など)や業務指導(研修会など)を充実させているところです。
なお行政書士は、開業即入会制(京都府内ならば京都府行政書士会へ入会)となっています。

ちなみに、私の事務所を一例として挙げさせていただくと、平成10年に30歳で脱サラをしてから資格を取得し、32歳で自宅開業をしてから7年目ですが、現在ではスタッフ3名と一緒に、行政書士専業者として日々忙しく仕事をしています。
これまで、沢山の周囲の方々に支えられて現在の事務所に至っていることを心より感謝しています。

今年も「平成19年度行政書士試験」が下記の通りに実施されます。

  • 試験日 11月11日(日)
  • 受験願書受付(郵送) 8月6日(月)〜9月7日(金)

一人でも多くの受験生が栄冠を勝ち取られ、やる気と根性をもって独立開業されることを願っています。