慰謝料の値段 弁護士 後藤隆志

みなさん,はじめまして。弁護士の後藤隆志です。
私は,小田弁護士と同じく「弁護士法人みやこ法律事務所」で業務を行っている5年目の弁護士です。
取り扱う分野は,契約交渉,債権回収,不動産取引,借地借家事件などの一般民事の他,破産などの債務整理事件,離婚などの家事事件,交通事故,刑事事件や少年事件など幅広く手がけており,最近は知的財産関係の事件にも力を入れています。
弁護士法第1条によれば,弁護士の使命は「基本的人権の擁護と社会正義の実現」にありますが,この使命を少しでも果たせるように日々奮闘しております。



さて,本日のテーマですが,「慰謝料の値段」を取り上げたいと思います。
例えば,交通事故にあい怪我をしてしまった場合,被害者は,病院に支払う治療費や事故で仕事ができなくなったことに起因する休業損害などの財産的損害を請求できることは当然ですが,このほか,事故で精神的苦痛を受けたことを理由に「慰謝料」を請求できます。
また,離婚裁判でいえば,例えば夫の不貞行為やDVなどで婚姻関係が破綻したときは,妻は夫に対して「慰謝料」を請求できます。
その他にも,報道などでプライバシーが侵害された場合や,学校でのいじめなど,諸々のケースで「慰謝料」が問題になり得ます。名誉毀損や信用侵害の事例では法人にも「慰謝料」を認めるのが判例です。
 このように,財産的な損害とは別に,精神的な損害,つまり慰謝料を請求できるケースが結構あるのです。前者は損害が目に見えるので金額に換算しやすいのですが,後者は精神的な苦痛を損害と捉えるのですから,金額に換算することがとても難しくなります。
ここで1つ参考になるのが,「同種の事件で裁判所が算定している金額」です。事件ごとに裁判所が認定する慰謝料が全くバラバラだと,不公平な結果となりますから,交通事故や離婚など大量かつ定型的な事件では,慰謝料の金額というのはある程度「相場」といいますか,基準があります。また,こういった紛争は最終的には裁判が舞台となりますので,最終的な判断権者である裁判所の基準を頭に入れておくと,どれくらいを請求できるものか,あるいはどれくらいを支払わなければならないか,ある程度の予測がつきます。
例えば,先に挙げた交通事故では,怪我の程度はもちろんですが,入院の期間・日数や通院の期間・日数によって慰謝料の額が比例するのが原則です。
したがいまして,不幸にも被害に遭われた方は,示談の前に弁護士などの専門家に相談されることをおすすめします。